やはり役者が違う。勝負強い「大看板」を大一番で証明した。前半16分だった。左サイドから羽生の絶好クロス。待つのではなく呼び込んだ。走る。飛ぶ。さらに空中で伸び上がり、頭でたたき込んだ。こん身のダイビングヘッド。ネットが揺れ、味スタが震えた。歓喜の王手弾。「平山コール」のシャワーを全身で浴びた。
平山「自分から動き出せば相手より先に触れる。クロスのタイミング、スピードもすごく良かった。いつもの練習通りです」
耐え、しのぎ、ようやく踏み出した国立への道のり。ベンチで終了の笛を聞き、まさしく息を吐いた。満月の夜空を見上げ、うれしそうに抱擁を繰り返した。
ピッチでの勝負に撤し、ひたすら進歩、進化に身を砕いてきた。「失敗したり、つまずいたりした時、目標がないと起き上がれない。目標のために、目の前の現実もしっかり見ないといけない」。未来に視線を向けながら、足元を見詰めることも忘れなかった。その両輪がタイトル、日々の練習だった。
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6月上旬。累積警告で出場停止になると、空いた期間を利用して新たなトレーニング法に取り組んだ。瞬発力を上げながらも、苦手の持久力、動きの継続性を高めようとした。
「週の頭に筋肉を壊して、休ませて強くする」。筋肉は強い負荷を受けると、元来の水準を超えて筋線維を成長させようとする。筑波大時代に学んだ「超回復」の理論を実践した。自分自身を変えたい。成長したい−。課題を考えた結果、動く身体を自らの努力で作り上げた。「自分で自分の身体を動かせる感覚をつかんだ」。休日は練習場で汗を流し、休日明けの2部練習も貫いた。約3カ月がたち、その効果は結果として表れている。
頂上が見えた。ついに手をかけた。だが、まだ途上。決戦は11月3日、国立。「プロになって初めての決勝。やるしかない」。聖地での悲願のファイナル。勝ってカップを掲げ、平山が至福の涙を流す。 (松岡祐司)
中日スポーツ:平山 王手ヘッド 東京5年ぶりV任せろ!! ナビスコ杯準決勝第2戦 9月6日(日) vs.清水:365日FC東京(CHUNICHI Web)